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山岡 聡二様からコメントを頂きました!

シンガーソングライターの友人
その男の名は、養老弥助(ようろう やすけ)。私の10年来の友人である。
彼自身は自分の事を「お茶目」だと思っているようだが、私から見ると「照れ屋」だ。
現在43才。芸名のような名前だが、れっきとした本名である。
自作のCDアルバムを2枚、自費で出した。
最近、少し体重が気になるシンガーソングライターである。8年程前に勤め人を辞めて、
ギターを引っさげライブハウスを1人で唄い歩く。35才からのミュージシャンスタート。
始めた当時は嫁も子供もさぞや驚いたことだろう。いまやもう呆れてるかな・・・
が、しかし、回りの人々の多大なるご支援と本人の努力もあり、大阪のライブハウスを中心に、
いまでは毎年、北は北海道、南は沖縄まで、ライブハウスツァーが続いている。
私は友人であり、いちファンでもあるのでよくライブを見に行くが、
あまり多いとは思えない観客の前で彼は精一杯ステージを勤める。唄を歌い、ギターをかき鳴らす。
そんな手抜きの無い全力投球の姿がかっこいい!またライブハウスに行きたくなる。
そんな彼が、大阪のとあるライブハウスで、昨年から養老弥助プレゼンツライブを始めた。
一人でステージを勤めるのではなく、自分より格が上のミュージシャンを呼んで来て、
共にステージに立つ。照れ屋で緊張しやすい彼にとっては、まさに試練の場である。
ギタリストの赤木一孝(あかぎ かずたか)、小松原俊(こまつばら しゅん)、
坂庭省吾(さかにわ しょうご)、等々。どうなる事やらと心配でもあり、時間を作って見に行くと、
なかなか緊張感のある素敵な展開だ。特に坂庭省吾さんとの共演は素晴らしいステージで、
坂庭さんのギターそしてマンドリンの華麗なる演奏に支えられて、堂々と唄う養老弥助。
以前はすぐ頭の中が真っ白になり、うまく喋れなかったMCも、お客さんの心を捉えている。
うんっ!成長したな!と思わず、にやりとしてしまった私でした。
終演後の彼に「今日のステージはホンマによかったで!」と言うと
「いやぁ、それは、坂庭さんのサポートが素晴らしいから、上手いこと出来たんやでぇ」と、
あくまで謙虚である。
ヒットチャートに登場することもなく、テレビドラマの主題歌を歌うわけでもない。
自作のCDをリュックに詰め、ギター片手に手売りで全国のライブハウスを唄い歩く。
そして暇を見つけては新しい楽曲を作り続ける。
表面上は「ナハハッー!」なんて照れ笑いをしながらも、歌と音楽に対しては、いたって真面目で、
真剣そのものである。
そんな彼に一度だけ「音楽事務所とかに所属して活動するとかしたら・・・CDの手売りもしんどいやろぉ」
と言うと
「まぁ、しんどい事もあるけど、素敵な人達に囲まれて幸せやなぁと思う事も多いし、
しばらくはこのスタイルでやって行くわ。所属事務所なんかも、これからまた素敵な出合いがあるやろぉ」
と屈託が無く笑う。
気持ちが重たくなるような殺伐とした事件、事故が新聞やテレビをにぎわす中、彼の笑顔を見に行く、
私のライブハウス通いは当分続きそうである。
山岡 聡二

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