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保田様からアルバム製作同行記を頂きました!

養老さん、アルバム製作同行記パート1
今回ひょんなことから養老さんの3rdアルバム製作の現場に同行できる事となったのでその模様を書き記します。

3月10日
朝、待ち合わせの阿倍野アポロ前まで行くために急ぐが、電車に乗り遅れちゃった・・・携帯で急いでその旨を伝えると、養老さんも予定していた空港バスはすでに満員で乗れなかったらしい、快く待っていただける、とのお言葉にほっと胸をなでおろし、アポロまで向かう。
僕達が着いたときには次のバスも満員で、養老さんだけ先に空港に向かってもらい、僕達は次の臨時便に乗り込む。バスの窓で心なしか不安げに手を振る養老さんをシャッターに収める。(今回のCDジャケットに使える写真も撮ってくるようにとの仰せであったので手当たり次第に撮るつもりだった)しかし、プロのミュージシャンを待たせてはいけなかったのに・・・。
空港に着くとそんなことはすっかり忘れて、搭乗手続きをする。僕も(養老さんと同じく)風体は怪しいほうなのできっと搭乗手続きでチェックが厳しいんだろうなって思いつつゲートに向かうと案の定、金属探知機がけたたましく鳴り響き、ボデーチェックを受ける。帽子の中から靴のかかとまで丹念に調べられた・・・もう慣れっこになっているけどやっぱり恥ずかしいんだな、これが。
飛行機は何事も無く飛び立ち、適当に揺れて、乗り物に弱い養老さんをいじめながら、新千歳に降り立った。
札幌はー3℃!、一面の雪景色!前回コケまくった養老さんは札幌駅でなにやらゴムの滑り止めアイテムを取り出し、ブーツに装着している。あのかっこよいブーツが・・・ダサダサ・・・
しかし前回来たときに公衆の面前でコケ倒した恥ずかしさよりはマシだとばかりに、気合を入れて歩き出していたのが養老さんらしくて面白かった。
札幌駅で今回のプロデューサーの関先生親子に会う、養老さんは関先生の息子さんに愛用のマイクの改造をお願いするらしく、マイクを手渡す、あのパワフルボイスにマッチするように改造するらしい。
今後のライブが楽しみである。
関先生と共に真駒内のレコーディングスタジオに向かう。札幌は歩道上に雪は無く、いまだブーツの新兵器はその威力を発揮せずにいることに養老さんは不満げである。真駒内に着くと雪はもっと積もっていて、僕達は少したじろぐ、しかし2月に養老さんが来たときはこんなもんじゃなかったって言うことでまだ少し不満げであったが、そろそろ新兵器が活躍できそうで養老さんに笑顔が戻る。駅には今回のオペレーターの高橋さんがお迎えに来てくれていて一同車に乗り込み、高橋家のスタジオに向かう。
今日の録音にはPETAさんも参加するとのことだったのだが、骨折後のリハビリで遅れるとのこと。先週京都のライブでPETAさんの歌声は聴いたのだが、コーラスを歌うPETAさんは初めてなので
これも今回の楽しみの一つであった。
スタジオに着くとすぐに「シュビドゥビコンコンラッコちゃん」のハモリを録るとのことで関先生が愛用のギブソン・・・これがすばらしく良い音していた・・・でコーラスパートをつける。女性コーラスは高橋さんの奥さんと大阪より一緒に行ったこずえちゃんが歌うこととなった。最初僕も歌えるはずだったのだが、どうしても音がとれずに断念する・・・なんであの場で音が取れなかったのか悔しかった・・・しかし涙を呑んでみんなの録音を見守る。
録音用のマイクは恐ろしく感度がよく、衣擦れの音まで拾うのにはびっくりした。録音は無事に済み、コーラスをかぶせた部分を試聴する、なんかゴージャスな曲に変身している。普段養老さんのライブではギターのみのものを聴いているのでCD用にアレンジされた曲はすばらしくかっこいい。改めて関先生のアレンジのセンスの良さに感動する。そうこうしているうちに、PETAさんが奥さん運転の車で到着、外までお出迎えすると、養老さんが「13年もかかって初めて奥さんに会わして貰ったのに、君たちはこんなにすぐに会えるなんてずるい!」ってわけのわからんことを言っていた。どうやらPETAさんは長いこと養老さんには奥さんを会わせていなかったらしい・・・
それにしてもPETAさんの奥さんはPETAさんにお似合いの可愛らしい奥さんだった。まるでハイジのような・・・
PETAさんが加わり先ほどの曲に男性パートを録音する、今度は僕にも歌えたので一緒に参加させてもらった。後で考えると、養老さんの主旋律にあのPETAさんと一緒にコーラスを歌うなんてなんという恐れ多いことをしてしまったんだとじわじわと幸せ感が沸いてくる。録音した部分を視聴する、ますます素敵な曲になっているって噛み締めて聴く。その後PETAさんと関先生が、「DANCE DANCE」・「夢また夢」にコーラスを付ける。どちらの曲もかっこいいアレンジに仕上がっていて背筋をざわざわと感激が走る。「DANCE DANCE」はPETAさん作詞作曲の曲なのでさすがに綺麗なハモリがスムーズに入る。「夢また夢」はお二人ともかなり練習を重ねて録音に臨む。しかし、PETAさんの声は体型に反比例?してすごく繊細ないい声だ。
改めてその才能の凄さを感じた。ここでも写真を撮りまくる。一応予定していた部分の録音は終了とのことでみんなで関先生ご推薦のおいしいお店に行くこととなる。高橋さんはまだまだ明日のトラックダウンの準備があるとのことでバス停までPETAさんを送っていく。高橋さんの玄関から出ると外は真っ暗!でもなぜかほの白い!雪が深々と降っていたのだ!!感激!
街灯に照らされた道はきらきらと輝いて、本当の粉雪ってこんなにも粉なんだって納得する、こりゃ「POWDER SNOW」って言うわけだよね。バス停まではしゃぎながら歩いていく。道路の横には雪かきをして積んである雪の壁があり、その上にも雪の結晶が降る、きらきらダイヤモンドのように輝く。「ダイヤモンドの輝きなんて全然興味ないわな、こんなん見てたら」ってまた納得する。明日、PETAさんにジャケット写真のように雪を上に撒いてもらおうと決心する。
関先生ご推薦のお店はなんとPETAさんのお宅の傍だったらしい、入り口がひとつで、手前のお店の中を通って奥のお店が目的のおいしい店だった。しかし満席・・・仕方が無いので手前のお店で我慢する、客が何組かいたがどうやら同じように奥の店が目的だったらしい、これは奥のお店にあぶれた客が仕方なく座るお店なのかと少し不安になったが、出てくるものは新鮮でおいしい!ますます奥の店に期待をもってしまった。相変わらずPETAさんはビールをガバガバ、関先生と養老さんも焼酎をぐいぐい、負けずと僕達もビールをガバガバ、ぐいぐいガバガバ夜は更けていった。

二日目につづく・・・・

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