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保田様からアルバム製作同行記を頂きました!

養老さん、アルバム製作同行記パート2
3月11日
どう帰ったのか記憶が無いままホテルで朝を迎える。
今日は昼からトラックダウンをするというので僕らも無理を言って連れて行ってもらうこととなる、観光してきたらって言う皆さんの温かいお言葉だったが、CDの製作ツアーなんてどこの旅行会社にも無い!しかも養老さんや関先生、P?TAさんと一日中何にも無いところで一緒にいられる!これはぜひ僕のバックパッカー(ピクニックギター)持っていって遊んでもらわねば・・・
北海道のホテルの朝食バイキングで生タラコをむさぼり食い、大満足。お昼に養老さんを起こして待ち合わせの駅まで行く。すでに関先生は駅前で佇む人となっていた。ものすごく晴れ渡って積もった雪がまぶしい、P?TAさんはお寝坊して送れるとのことで先にバスに乗る。雪道をかなりのスピードで走るバスに半ば恐怖しながら、トラックダウンをする札幌芸術の森公園まで車外の景色を眺める。こんな雪深い街並みを見るのは、はじめてだ。ここでは家のひさしまで雪が積んであって住むのは大変なんだろうな、でもこんな素敵なところに住みたいなって一人考える。バスはどんどん民家の無いところを走り、ついに雪しか見えないところで止まった。こんなところにスタジオがあるんだろうか?って思いながら養老さんに続く。
突然目の前に立派な建物が!ここには大小合わせて4つほどのホールと10近くのスタジオがあるという、侮りがたし。しかも24時間レンタルして2000円!いいな北海道!
中に入ると世界の楽器が展示してあって、ロビンロイドさんがきっと驚喜するだろうなって、ふと思う。
借りてあったスタジオにはすでに高橋さんが様々な機械をセットしてあって、1曲目をトラックダウン中だった。トラックダウンって具体的にどうするのかって知らなかったから聞いてみたらばらばらに録った音源を一つにまとめてバランスをとって大まかに仕上げるとのこと、作業の大半は高橋さんにかかっている。1曲トラックダウンするのに1時間以上かかるということで、邪魔にならないように一人高橋さんを部屋に残してロビーで待つ。P?TAさんがバス停に着いたというので迎えに行く、愛用の松葉杖は北欧製のアイゼンが仕込んであって雪道も快適だという。松葉杖を快適って言うP?TAさんの言葉にどこと無く違和感を感じるが、きっと本人の言うように快適なんだろうなって無理やり納得して雪の中を歩く。
スタジオに着けばちょうど1曲目が終わったところで、みんなで聴く。なんとそこには昨日聴いたのとはまたぜんぜん違う、かっこよく、おしゃれで、洗練された養老さんの声が!バックの音楽に包まれて生まれている。デモテープとして僕の仕事場で録った素の曲がたくさんの人の手を経て、きらびやかにCDの曲に生まれる瞬間に出会えた感激が沸いてきて、人知れず泣いちゃった。細かい部分をチェックして次の曲へと進む。僕達はまた部屋の外へ、これを繰り返して明日までかかるという。こんな作業を経て1枚のCDが出来上がる。それにジャケットをデザインして、印刷して、パッケージして商品となる。膨大な創造力、アイデア、人の手を集めて1枚のCDが出来上がる。みんな養老彌助のために、養老彌助の音楽を愛するファンのために力をあわせて1枚のCDが出来上がる。なんて素敵な世界なんだろう。
高橋さんが作業している間、僕達はロビーでいろんなことを話したり、外で雪遊びしたりして過ごす。P?TAさんにバックパッカーで遊んでもらう。観客は僕達だけ!なんて贅沢!来てよかった北海道!
こうして夜10時にいったん作業を終え、明日に残りをすることとなる。今夜は僕達のために、札幌が誇るあのススキノに関先生が連れて行ってくださるそうだ。今夜は本場のほっけを食べさせてくれるらしい。しかもススキノで!こずえちゃんが一緒だから至極健全なススキノの夜となるだろうなっておもったけれど・・・バスの時間と車の都合で、僕らは一足先にススキノに向かうこととなる、外に出ると一面の雪景色、昨夜とは趣の違った静かな原野の雪景色、ひとしきり感激しながらバス停まで歩いていると1台の見覚えのある車が僕らの横で停車する。高橋さんだった。養老さんが今回のトラックダウン後の局をMDに収めたいとのことで、録音用MDを取りにお宅まで帰るところだったそうだ。ついでにバス停まで送ってくれた。ラッキー!正直凍りついた雪道を歩くのは少し閉口していたのだ。滑って骨折なんて、P?TAさんに笑われるもんね。バス停で高橋さんと別れ、少し待つとバスが来る。またもや雪道を爆走するハイテクニックバスだった。途中のバス停で女子高生が短いスカートにルーズソックスという格好で乗り込んでくる、外は確実に氷点下だというのに・・・侮りがたし北海道!
一度ホテルに戻り、また地下鉄ですすき野駅まで行き、待ち合わせの場所に向かうとすでに養老さんたちが待っていてくれた。今回はずっと待たせてばかりだ、ごめんなさい。関先生は慣れた様子でずんずんネオンの海を泳ぐように歩いていく、僕達は半ば口を開けて周りの景色に見とれつつふらふら付いてゆく。案内されたお店は健全な居酒屋で・・・別に不健全を期待していたわけではないが・・・
北海道の魚介類の御造り盛りは本当に豪勢で、これぞ正に!てな感じ!またもやP?TAさんはビールをガバガバ、関先生と養老さんも焼酎をぐいぐい、負けずと僕達もビールをガバガバ、そうこうしているうちにほっけが出される、確かにでかい!しかもうまい!ここは魚食いのこずえちゃんの独断場だった、猫もこうは食べないって感じなぐらい綺麗に平らげ、関先生はご満悦の様子だった。その後養老さんはシャツを脱ぎ、御造り盛りに出た貝を胸にラッコちゃんのパフォーマンスやら、関先生と怪しげに抱き合うやらで、夜はどんどん更けていき、僕達はこの後とんでもなく飲み続け北海道の夜を満喫した。
日程の都合で最後まで同行できなかったのが残念だったが、次の日養老さんを残して僕達は帰阪した。ただのファンがこんなにも温かく仲間に入れてもらえるなんて、本当に幸せな僕達った。
養老さん、関先生、P?TAさん、高橋さん、ありがとう。

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